高麗 黒高麗梅瓶

高麗中期に焼かれた黒釉の瓶です。
全体に黒釉が掛けられ黒高麗（くろごうらい）と呼ばれます。
釉薬はやや飴色がかっており、火の温度のムラにより黄褐色から黒色の様々な表情を見せています。
しっとりとしており、肩や腰には釉縮みも見え景色を作ります。
口は細く窄まり、丈が長く腰は細く締め込まれ、胴から肩にかけて丸く張る、梅瓶と呼ばれる形で酒器として使用されました。
高さ20cmを超える少し大きめの形で、腰にかけてはろくろ目が、胴には分割を繋いだ跡が見え陶器の良い質感を感じます。
底は無釉でざらざらした土の様子が覗けます。
素朴ながら力強い存在感が黒高麗の魅力です。

全体に時代経過による表面に多少のカセがありますが、しっとりとした良い光沢がございます。
胴の中央に長さ10cmほどの細い修復跡がございます。
土や焼き方の性質上、底は荒く多少のホツ（欠け）は混じっている可能性がございます。