高麗 青磁透彫龍文獣面蓋付香炉

高麗時代に焼かれた青磁の香炉です。
蓋と下部に分かれる形です。
蓋の頂部には蓮と思われる花蕾があり、透彫で大小の丸い穴が開きます。
上面には２つの獣面があり、目鼻耳がとても立体的で、口の歯牙や髭まで細かい作りです。
蕾の穴と獣面の口からは香の煙が出るようになっています。
胴は丸みを帯び、口縁の少し下部から盤のように屈折します。
胴は内外２重の構造となり、外面には透彫にて２匹龍が泳ぐように施されます。
下部には獣形で裾に向けて広がる脚が3本備えられます。
下部は長い足がありますが、支えなどを付けずに焼いております。
蓋の裏には大きな石目の跡が残ります。
全体に掛けられた青磁釉はやや明るめの灰青色で細かな貫入が入ります。
高麗青磁でも透彫は遺例が少なく、龍と獣の組み合わせの香炉はとても珍しい品です。

下部の底には窯傷としてついたニュウ（ひび）があり貫通しているため観賞用とお考えください。
実用される場合は灰が漏れる可能性がございますので修繕するか工夫をしてご利用ください。
その他に下部の口縁部にホツがございます。
発掘品のため全体的に表面にカセと土の着色がございますが、多少の光沢はございます。