高麗 三島象嵌徳利
高麗 三島象嵌徳利
時代 : 朝鮮・高麗時代(918年 - 1392年)/ 14世紀
Size : 高13cm 幅10.9cm
高麗末に焼かれた青磁の瓶。
上膨れした胴に、肩が少し張り、短い首に反り返るように口が備えられます。
うっすらとろくろ目を残し、頸に一段の段差がつけられています。
全体に灰色がかった緑青色の釉薬が掛けられ、細かなはっきりとした貫入が入ります。
器面の腰あたり三分の一がオレンジ色に変色しており、また光沢もなくざらざらとしています。
これは焼成時に火が直接当たらない火裏となり、熱の回りが均一に起きずムラとなったことにより起きる現象であり、景色として数奇者に好まれました。
当時の朝鮮の窯は技術もさほど高くなく、匣鉢にも入れていないことから焼きムラは起きやすい状況でしたが、ほとんどが失敗作で当品のように良い具合のものは数少ないです。
肩の辺りに一周、彫った溝に白土を埋める象嵌技法にて連珠文と線文が施され、三島としてはシンプルですが、かえって火裏のムラと重ならずとても奇跡的なバランスを保っています。
口の釉切れによる露胎、表面のフリモノによる黒点も独特の雰囲気を一層引き立てます。
底部は高台内まで釉薬を掛けた総釉で、畳付きに多少の砂を残し露胎しております。
目立つ瑕疵(キズ)はございません。全体に多少のカセがある他、焼きムラの箇所は大きくカセています。
※状態、部位などの専門用語はこちらのページをご参考ください。
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