高麗 青磁練上家形水滴

高麗時代に焼かれた練上の水滴。
練上の技法は韓国では練里（ヨンリ）、中国では絞胎と呼ばれの唐時代から始まり、清まで続きます。
中国では茶系の２種類の土を混ぜて褐釉の釉薬をかけて低火度焼成をしていました。
高麗の場合は、青磁土、白土、赫土を用いて３種を用い、透明に近い青磁釉をかけて焼き上げます。
それにより白、灰色、黒がはっきりと分かれた大理石のような美しい斑紋が描かれます。
五角形の寺院もしくは塔を模し、陰刻の蓮弁文を施した土台に建ちます。
壁面には窓などが陰刻で彫られ、反り返る形の屋根にも瓦模様が彫られます。
屋根の端１箇所に水の注入口が、屋根の先端に注ぎ口が備えられます。
水滴は自由に様々な形のものが作られ、美しい景色や存在感のあるモチーフとして家形は少量ですが作られていました。
練上は異種の土を混ぜるため収縮率の違いから焼成中に破損しやすく、作例は極めて少なく希少です。

底部に小さな亀裂がありますが窯傷で、水漏れはありません。表面の一部にカセがございますが、それ以外には光沢もございます。