高麗 青磁陰刻亀型水滴

高麗時代に焼かれた青磁水滴。
朝鮮半島では書道文化の発展により、書道具として水滴の人気がございました。
硯で墨をする際の少量水を注ぐという単純な機能であったため、自由な形に作れ、本品のような亀型は代表的な形の一つです。
全体に陽刻・陰刻が施され、顔は目や鼻がはっきりとしており、龍のようにも見える凛々しい表情です。
甲羅には亀甲文が不規則に多数彫られ、首や足にも筋彫りがされ、どこか生々しさを感じます。
全体に艶やかで鮮やかな青磁釉が掛けられ、陰刻などに釉薬が溜まることで濃い緑色の模様が浮かび上がります。
底には大きめの目跡を3点の残します。
水の注入口は甲羅の中央にあり、亀の口から水が出る仕組みです。
前足と後ろ足の間に窪みがありとても持ちやすく、デザインだけでなく道具としてもとても考えられた品です。

内部が一部剥がれており、降るとカラカラと小さな音が鳴りますが、機能的には問題ございません。そのほかに目立つ瑕疵（キズ）はなく、全体に光沢があり綺麗な状態です。