南宋官窯 黒青磁筆洗

南宋に官窯で焼かれた青磁の洗。
大ぶりで扁平な形であり、口は内側に大きく窄まります。
上から見た形はきれいにほぼ真円です。
高台は胴と繋がるようにしっかりと作られ、均一に3mm程度の設置面が露胎しており、南宋官窯らしいつくりです。
口縁脇と高台脇の胴に２つずつ、計４つの大きな指跡があり、大胆さからあえて着けたものと考えらられ、シンプルな器形に表情を付けています。
全体に失透性の青磁釉を掛けてありますが、鉄分の量の違いから所々黒く発色をしており、きっちりと作られた青磁とは違った荒々しさが味わい深いです。
実際に使用されていたものであり、見込みには墨と思われる跡がございますが、これが模様のようであり面白い景色です。

高台に１箇所、小さなホツがあります。全体に表面に多少のカセがありますが、光沢はございます。