清代 哥窯花口碗
清代 哥窯花口碗
時代 : 中国清代(1616年 - 1912年)/ 17-18世紀
Size : 高6.3cm 幅13.4cm
清代に焼かれた哥窯の茶碗です。
哥窯は宋代の五大窯のひとつで青磁窯であったと言われておりますが、詳細は謎が多く、特に宋代の遺例はとても少ない。
日本では哥窯は南宋にあったということしか情報がないが、それ以降の明〜清にも哥窯と同様の陶磁器は作られております。
ただし、哥窯そのものが残っていたというよりは、同種の陶磁器を焼くための別の窯があったと考えられます。
実際に清代では宋代の五大窯を再現しており、その際に哥窯も再現されました。
そのため「哥窯」という言葉は宋代の哥窯で作られたものだけでなく、こうして後に再現などで作られたものも含め、哥窯式のような意味合いでも使われております。
哥窯は一見白い釉薬のため白磁とも言われるが、灰青釉で緑色がほとんど含まれない青磁に分類されます。
清代に作られたと考えられる本品は白さは際立ちますが、哥窯の最大の特徴は失透性の釉薬でありガラス質はほとんどなく、全面に貫入がはいります。
貫入の色は胎土から浮き出る黒色や茶色が多いが、本品の貫入は粉紅をすり込ませた赤色でとても珍しい意匠です。
器形は花口碗で口縁部のみではなく、全体が彫りの深い5枚の花弁の形をしております。
胴から口縁にかけて垂直気味に立ち上がり、丸みを帯びた器形は手にしっかりと収まります。
茶だまりは周囲に溝があり、中央が一段盛り上がっている細かい作りです。
輪高台は太さが均一な丁寧な作りで、裏までしっかりと施釉され、清朝の特徴的な落款が押されております。
目立つ瑕疵はございません。全体に光沢があり綺麗な状態です。
※状態、部位などの専門用語はこちらのページをご参考ください。
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