清代 仿汝窯 青磁獣足花口洗

清代朝に景徳鎮窯で作られた青磁の筆洗です。
この品のように径11cmほどの筆洗は宮廷で筆記に使われる実用的な品でした。
口縁は細かな24枚の花弁となり、菊花のように腰まで長く繋がります。
腰の脇から下方に向けて３つの足がつけられ、花を邪魔しないようなさりげなく目のついた獣足となっております。
この品は「仿汝窯」と呼ばれ、清代に景徳鎮窯で北宋の汝窯を称賛し模してつくられた陶磁器です。
もともとの汝窯は「雨過天青」とも言われる雨上がりの水分を含んだような空の淡い水色で、この仿汝釉はよりも水色が強く鮮やかな発色です。
乳白がかったマットな表面は汝窯と似た特徴を持ち、やや薄めに均一に掛けることで胎土が透けて立体的に表現されます。
底は盤状に広がり、焼成時に下部の獣足を支えるための針目跡が３点残り、これも北宋汝窯にあった特徴です。
清代に完成された作陶技術と仿汝釉ならではの目を惹く釉薬が花口にとてもマッチした美しい筆洗です。

３本の足は窯にひっついた跡がございます。そのほかに瑕疵（キズ）はございません。全体に光沢があり綺麗な状態です。