南宋 吉州窯黒釉葉文瓶

南宋に吉州窯で焼かれた瓶。
吉州窯は天目茶碗の産地で、黒釉（鉄釉）磁器を焼造しておりました。
胎土が白く土が緻密でであり、軽く叩くと高い音が鳴ります。
足は上げ底で外反し、玉壺春のように胴は丸く膨らみ口は外へ広がります。
胴の赤谷は注ぐための口が付き、水が注ぎやすい形状です。
天目釉と同種の漆黒釉薬が全体に掛けられ、胴の真ん中に柿釉による葉文が2面に描かれます。
葉文は荒々しさがリアルな枯葉のようで、よくみると葉脈もありとても繊細です。
黒釉に葉文のコントラストが映え、目が覚めるほど印象的です。

底に２箇所ホツ（欠け）がございますが、窯傷（焼成時の傷）によるものです。時代物のため表面にところどころカセと口縁部に貫入がございます。