高麗 青磁象嵌己巳字文花口皿

高麗に焼かれた青磁の皿。
見込みに「己巳」という漢字が黒象嵌にて施される。
この「己巳」は十干十二支と呼ばれ、十の数詞と十二の干支の組み合わせにより年号を表し、その組み合わせから６０年で周期いたします。
この品は高麗の末期のもので、その時期に「己巳」に当たるのは1329年か1389年となるので、どちらかの年に作られたものと考えられます。
器形は少し深さがあり、菱花形の口は折れ曲がる折沿形で、それとつながるように見込みは凹凸が入ります。
見込み中央は２重に円形の線文が陽刻で浮かび上がります。
外面は線彫りで８つに分けられ、それぞれに白黒象嵌で菊花文が施され、見えないところまで装飾されるのはとても贅沢な作りです。
高台内には石高台の目跡を残し、全体に美しい灰青緑色の釉が掛けられます。
漢字が刻まれた象嵌は珍しく貴重な品です。

目立つ瑕疵はございません。全体に光沢があり綺麗な状態です。