元代 青磁陰刻文小碗

元代に焼かれた青磁小碗。

龍泉窯系の窯で作られたと考えられ、高台は薄く滑らかに丸みを帯びた胴へ繋がる器形をしています。
薄い陰刻があり、胴には線が、茶溜りに１つ側面に５つの草花文らしきものが刻まれます。
全体に厚く施釉がされており、貫入が深くガラス質の厚みまで目に見てわかるほどです。
高台の際までしっかりと施釉されており、高台畳付は露胎となり龍泉窯の特徴の一つである鉄足となります。
口縁部は紫口も美しく、熔融した釉が流下したことで薄くなり胎土の褐色が釉の薄層を通して見えます。
南宋の龍泉窯は淡い青色の青磁色が多いが、元代から明代にかけての深い緑色の青磁釉薬が魅力です。

目立つ瑕疵はありません。高台に一部土がついています。表面は多少のカセがあるものの、良好な光沢がございます。